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奇跡や偶然とか私は結構信じている。そしてこんな事も起こるものだと実感もした・・・・・・・。
世界で一番すごいワインはって尋ねられるとまず頭に浮かぶのがロマネコンティというワインが私は浮かぶ。
しかし、白ワインは?と聞かれると私は彼の名を上げるジャン・フランソワ・コシュデュリ。
あまり馴染みの無い名前かもしれないが彼こそフランス・ブルゴーニュで白ワインの神様として君臨するワインの造り手だ。
ただ、彼のワインはあまりにも生産量が少ない。
彼が作る最上級ワイン コルトンシャルルマーニュにいたっては年間800本程度しか造られないそんな彼のワインを世界中のワインラヴァーが欲しがっている。
極端に人を嫌い彼のワインを欲して訪れる人々には決して姿を見せない。そんな彼に私は会う事ができた。
私はフランスに行くと必ずブルゴーニュに行く事にしている。そして必ずアポイントをとってワインの生産者に会いに行く。
だが、なかなかアポをとる事ができない人もいる。
そんなときはせめて、畑やお宅の表札だけでも見てみたいとレンタカーを借りてブルゴーニュの村々を彷徨ってみる。
そんな時、私の目にひとつの表札が飛び込んできた。
「 J・F・COCHE−DURY 」
びっくりして車を止め、その表札に近づく。まちがいない!!コシュデュリだ!!当然アポもとらず尋ねるのは失礼と思いせめて表札の写真を撮って帰ろうとした・・そのとき一人の女性が声をかけてきた。「あなたは?」
私はとっさに日本から来た旅行者でコシュデュリのワインが好きな事や、そして記念に写真を撮っている事を伝えた。
彼女が「ワインを買いに来たの?」と私に問いかけたので私は大きく横に首を振った。すると彼女は私になぜかこう問いかけた。
「あなたはクリスチャン?今時間はあるの?」
子供のころにアメリカのホームステイ先で洗礼を受けたことと、今日一日は予定が無く車でさまよっている事を伝えた。
すると彼女は私を庭に招き入れてくれた
「今、近所の方とパーティしながら賛美歌の練習をしているの。あなたも参加しなさい」
と、戸惑う私をパーティの参加者たちの中へ。その人たちの中にひときわ長身でめがねをかけた男性が立っていた。
ワイン雑誌などで見た彼の顔が思いだされ私は思わず息を呑む、私を招いてくれた女性がその男性に何か耳打ちをする。
やれやれと、困惑した顔で私の前に立つ。
「私の妻はにぎやかなのがスキで君を誘ったんだゆっくりしていってくれ」そしてその後の言葉「はじめまして、わたしがジャン・フランソワ・コシュデュリだ」と握手をしてくれた。
すると先ほどの女性(奥様)が私のグラスに二つの液体を同時にいれた。
「今妻が注いだのは私が妻のために作った赤のスパークリングワインとカシスだ。妻は私の白ワイン嫌いでね。特別に1樽分(300本)だけ造っているんだ」
そんなプライベートなワインをいただきに感激していると奥様が私をまた参加者に紹介し始め、興奮気味だった私もようやく落ち着きを取り戻してみんなと一緒にパーティに参加した。
1時間ぐらいが過ぎたころ彼がワインのボトルを持って私の前に現れ、
「みんな私の白ワインは飲まないが君は飲むだろう?2本あるから好きなだけ飲むといいよ」
びっくりしてお礼をいい彼と二人でワインを飲み、私がワインについて質問していいかと聞くと彼は笑顔で頷いてくれた。
ワイン造りのことや、畑の事、彼の信念や思いに私は彼とワインに最高の賛辞を送った。すると彼は言った。
「うちに来る客はほとんどが私のワインを売ってくれという。だが、私のワインはあまりにも量が少ない売る物がなく、せっかく来た人にそんな事を伝えたくないから来客は全て断っていたんだ。君は最初にワインを買いにきたんじゃないといったろ、だからゲストとして迎え入れたんだ。もちろん今飲んでるワインも私のプライベート用だ。」
すっかり日も暮れてパーティも終了の時間を迎えた。
みんなで賛美歌を歌いみんなが日本から来た私を送り出してくれた。
「またおいで、まってるよ」とおわかれの握手をし、
彼の家を後にする。おそらく最初で最後の飲酒運転をしてホテルに向かう。
こんな夢のような体験が今でも信じられないが、いまだに私の手帳に思い出が残っている。
彼のメールアドレスと一緒に飲んだワインのラベル・・・・・・
ワインが好きでほんとうに良かった!!
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